
著者をいつの間にか応援したくなる!【気がつけば警備員になっていた。】
建物内やビルの前に立っている警備員さん。
なにかしら揉め事が起こったとき、真っ先に来てくれる、頼れる存在ですよね。
私達は毎日、数多くの警備員さんに守ってもらっています。
しかし、別の業種で働いている私にとって、「警備員」の仕事内容は、謎が多くわからないことだらけ。
そんなとき、【気がつけば警備員になっていた。】に出会いました。
「警備員って、どんな仕事をしているの?」
「トラブルに見舞われたことは?」
「そもそも警備員になったきっかけは?」
警備員さんに聞きたい質問が、この1冊に詰まっています。
筆者の堀田さんのノンフィクション・ドキュメンタリーなこの本。
辛いことも、警備員という仕事内容もコミカルに描かれており、読み進めていくと、いつの間にか筆者を応援したい気持ちになりますよ!
プロローグから波乱万丈
筆者が、なぜ警備員になったのか? というプロローグの部分から、もう波乱万丈で驚愕しました。
たった12ページ程のプロローグに、よく収まったなと思わずにいられないエピソードだらけ。
《大学入学→中退→専門学校入学→結婚・子供ができる→編集プロダクション入社→失踪する》という目も回るような筆者の経歴が、このプロローグには詰まっています。
「おいおい、ネタバレになるじゃん!」と思っているそこのあなた! 安心してください。
紹介したこの筆者の経歴は、まだ序盤も序盤。
そのくらい、濃い筆者のエピソードがテンポよく紹介されます。
他人の人生を覗き見している感覚になり、「この先どうなるんだろう?」と、はじめから作品に没頭できることでしょう。
警備員の仕事内容にビックリ
警備員さんの仕事のなかでも、メインのお仕事は「巡回」ではないでしょうか?
この本のなかで筆者は、「1日に10キロ巡回していた」と話しています。
えー!! キツすぎる!!
歩くのが嫌い、休日は100歩しか歩かない私にとって「巡回」は修行の域です!
しかも筆者は、この巡回で1ヶ月に10キロも痩せたと話しています。
すごい!! ダイエットにはいいけど、私には到底無理だ……。
ほかにも立ち続ける「立哨」、エレベーター故障の対応や、不審者がいないかカメラで監視したりなど、警備員さんは山のような業務を日々こなします。
この本を読んだ次の日は、警備員さんを尊敬の眼差しで見ることでしょう。
おもしろ警備員エピソードがたっぷり
この本には、おもしろ警備員エピソードがたっぷり詰まっています。
なかでも、私が好きなエピソードは「仮眠ベットの匂い問題」です。
みんなが使う仮眠ベットで同僚の住吉さんが寝ると、どうしても臭くなってしまうというエピソードに腹を抱えて笑いました。
なぜか住吉さんが寝てない場所からも、住吉さんの匂いがするとか、住吉さんを最後に寝かせようとするなど、まるで中学生のような警備員さんの行動が、とてもおもしろいです。
ほかにも監視カメラで不倫を見つけたり、警備員の薄毛問題について考えたりなど、クスッと笑えるエピソードが満載!
警備員だからこそ体験したおもしろエピソードで、ぜひ笑ってください。
筆者がとにかくヤバい!
警備員さんの仕事に興味があったのに、読み進めていくうちにいつの間にか、筆者に興味が湧いてきました。
プロローグに【専門学校入学→結婚・子供ができる】というエピソードが記載されていましたが、なんと! ある日奥様が子供を連れて出て行ってしまいます。
えーーーーー! 警備員の話だけかと思っていたら、筆者のプライベートなエピソードが事細かに書いてある!?
しかも、「不倫!?」「えっ! 離婚!?」「は? 再婚!?」「しゃ! 借金!?」など、エピソードのパンチがどれも強くて、あっという間に引き込まれました。
普通なら絶対暗くなるハードな内容も、話のテンポがいいので明るく読むことができました。
警備員さんはやっぱりすごい!
この本を読むと、知らなかった警備員のお仕事を知ることができます。
ハードな仕事内容で、毎日私達を守ってくれている警備員さんには脱帽です!
そして、筆者の私生活やエピソードを通して、「辛いことがあっても、この筆者と比べたらまだ大丈夫!」という変な安心感を感じることができました。
みなさんも、ある男の人生を覗き見してみませんか?
つらくても、バカにされても筆者のように強く生きたいと思える一冊でした。
よむよむライター・太田ウシ美