【足立区の三人姉妹】第13話 ナスチョメ先輩からのアドバイス
ナスチョメも、いよいよ先輩になった。
というのも、この春から、ナスチョメの従兄弟たちが小学生になったのである。地元が違うため、通う学校は違うが、「小学校ってどんなところだろうー」とドキドキの従兄弟たちに、先輩風を吹かせることができるのだ。幼稚園や保育園の”先輩”は”先輩感”が弱い。”先輩”のほうも、なかなかどうして”赤ちゃん”だから仕方ない。しかし、それが小学生ともなると、いよいよ”先輩感”が強くなってくるわけだ。”パイセン”っぽさが増す。つまり、そう……。
ナスチョメは、この春いよいよ、パイセンになった。
モテモテの後輩ちゃん
従兄弟はなんと双子ちゃんで、男子と女子。しっかりヤンチャで母性強めなラブリー男子アンアンと、不思議の国から襲来して来た美少女いーちゃん。ナスチョメともとっても仲良し!
さて。新学期が始まって早々に、ナスチョメの元にある情報が届いた。
「美少女いーちゃんが、学校で男子からモテモテらしい。」
きゃーーー♡ やるじゃないか、さすが美少女!!!
どうやら入学して早々に、男子からラブレターをもらったり、結婚しよう! などと迫られたりと、クラスでで”いーちゃんムーブメント”が巻き起こっているというのだ!
それを聞きつけるやいなや、ものすっっごい勢いで喰いついて来た我が家の”パイセン”たち。
”パイセンズ”と呼ぼう。”パイレーツ”的な。
パイセンズ「ぎゃー! いーちゃんさっすが! 可愛いもんなぁ!」
そして、ハイテンションになったチョメが、早口でズバッと、、、
チョメ「そーゆー時は無視だよ、無視。男は無視!」
さすがっす、チョメ先輩。。。笑。チョメイズム健在!
するとナスがすかさず、、、
ナス「無視はダメ!!!! せっかくの男人気がなくなっちゃうカラ! それはほんと勿体無い!!!! ……決めよう! 相手を1人に決めよう!!!」
はい! 先輩!…て、思わず反射的に言いそうになったぞ。。。男人気って!笑。モテていたい気持ちになんて正直なナス先輩!
パイセンズからのアドバイスは、こうして2つに対立。
そりゃそーだ。ナスチョメが、男に関する話て意見が一致するわけないものね。
ナス「え、え、どーゆー男に、なんて言われてるの? ちょちょ、1人ずつ男の写メ送って説明して!」
チョメ「え、いいよ、絶対キモいし。」
ナス「わかんないよ?! いーちゃんがどれに決めるのかも気になるじゃん!」
チョメ「あ、それは見たい!」
ここはOLの休憩室なのか!笑。
パイセンズがキーキー盛り上がっている中、新たな情報を入手したママは、2人にすぐ伝えた。
ママ「アンアンも、女の子に話しかけられたりして、俺もモテモテだって言ってるみたいよ〜♡」
ナス「……………。」
チョメ「……………。」
パイセンズ「ふーーーん(棒読み)。」
興味なしかーい!!!!
きっとさ、アンアンも、パイセンズに喰いついて欲しくてさ、ちょっとばかり見栄を張って言ってみたんだろうよ。可愛い後輩じゃないのさ〜。ちょっとくらい興味持ってあげておくれよ。笑。
2人の会話を聞きながら、ふと考えた。
三女の月が小学校に上がる時、ナスは高校生。チョメは中2。
もう、”パイセン”のベテランじゃないか。
ナスチョメ先輩がベテランになっても、今の2人みたいにキーキー騒ぎながら、月の話を聞いてくれてるといいなぁ。
そんな三人姉妹に、成長してほしいなぁ。
ナスチョメの”先輩”としての成長も、これから楽しみです★