【いきもの イキイキ 生き様 銘記】#2「シジュウカラ」
話術のプロ
どうも皆さま。しがないフリーのピン芸人、小林ぼっちでございます。
さて、記念すべき2回目の更新です。こういう連載モノというのは初回ももちろん大事ですが、重要なのは実は2回目。1回だけではまだ「点」でしかない事象が、2回目が生まれることで点と点がつながり「線」となります。それが上手く続き始めると「軌道に乗る」となるわけです。2回目はある意味、軌道に乗るための初回なのです!
・・・重要回にしては序盤から長々と中身がありそうでない話を連ねてしまいました。
これはいけません。曲がりなりにも芸人を名乗るのであれば、話術、文章力は持ってて当前。こんな有様では鳥にだって負けてしまいます・・・。
シジュウカラ
(え、鳥・・・?)
そう思ったあなた、侮ってはいけません。文法を操る動物は人間だけだと思っていませんか?
とういうわけで、今回ご紹介する生き物はシジュウカラです。
■シジュウカラ 体長:約15cm 体重:11~20g 生息地:日本を含む東アジア~ロシア極東
シジュウカラと言えば街中で見かけることもある、我々にとって馴染み深い小鳥ですが、そんな彼らについて近年生物学的に大きな発見がありました。
2017年に京都大学の研究チームが発表した内容によると、彼らは「文法」を使ってコミュニケーションをとるというのです!
これはどういうことかといいますと、異なった意味を持つ鳴き声(=単語)をルールに則って組み合わせることで「文章」を作っている、ということです。
研究チームの実験では、鳥たちの鳴き声を合成して人工的に作った音列を用意。それをシジュウカラたちに聞かせたところ、初めて聞いたにもかかわらず、なんと彼らはその意味を理解して正しく反応して見せたのです。
この研究結果により、シジュウカラはヒト以外で初めて文法を用いてコミュニケーションをとる動物として知られ、世界に驚きを与えたのでした。
<参考>http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2017/170728_1.html
「コミュ力×可愛い」で最強!?
一方、現代日本では逆に国語力の低下が懸念されています。
コミュニケーションツールの変容に伴って、若者の間では文章の簡略化が進み、最近では「了解」の2文字ですら「り」と略されてしまうそうです。
もし今お昼のトーク番組『ごきげんよう』が復活し、サイコロを振って「情けない話」の目が出たとしたら、小堺さんは「な」と略すのかもしれません。そしたら木村拓哉さんも「キ」です。
・・・例えがそもそも若くないのはおいといて。
そう考えると、手軽なコミュニケーションツールでSNSの代表格ともいえるTwitterのアイコンが小鳥のシルエットなのは、シジュウカラたちからすれば不服かもしれませんね。
いや私が言いたかったことはこんなジジ臭い説教じみた話じゃないんですよ!別に言葉なんてものはその時代その世代に合ったものが流行ればいいんです!
しかし、逆にいつの世でも社会で重宝されるスキル・・・それは愛嬌。
9年前、「とにかくオモロイやつが1番偉いんでっしゃろ?」と鼻息荒立てながらお笑い界に身を投じた私も、結局は面白さと同じくらい社交性が大事なことに今さら気付き、30代に入ってからあたふたしているわけです。
そんなわけで、動物離れした高いコミュ力と、ちっちゃくてふわふわ可愛らしいルックスを兼ね備えたシジュウカラは人間だったらまさに理想の社会人!愛されること間違いなし!人気者確定なのです!
私もそんなシジュウカラのような芸人を目指し、四十からと言わず、三十から意識改革を始めようと思ったのでした。おあとがよろしいようで。
文・イラスト:小林ぼっち