キレやすい子は赤ちゃん期の対応が原因? ストレスに負けない子をつくる“泣いたらあやす”の重要性【パパだって育児したい!】
「パパだって育児したい!」は新米パパの日常的な育児経験をもとに、育児書オタクの視点から育児情報をまとめるエッセイです。
前半に漫画、後半に文章という構成になっているので情報がほしいかたはページ下部へどうぞ。
今回は“あやす”ことの意味について、まとめてみました。
キレやすい子は赤ちゃん期の対応が原因?
ストレスに負けない子をつくる“泣いたらあやす”の重要性
♯11「母乳が足りないっていうからさ…」
飲むって言ったから…
文・パパめがね 絵・みやたみく
おまけの話
かんたも、もう4か月になって自己表現力があがってきました。
なかでも泣くときの感情表現は新生児のときの比じゃないですね。
とくに理由もなく大声を張り上げて泣くようになり、しかもなかなか泣き止まない。
月齢的にもそういうことが増え始める時期だそうなので、
マンガの状況ももしかしたら母乳が足りなかったのではなく、なんとなく虫の居所が悪かったのかもしれません。
でも、オトナになると「理由なく泣く」感覚ってよくわからないので、どうしても不安になりますよね。
「こんなに泣いているのに、あやすだけしかできないなんて…」
無力感にさいなまれる人もいるんじゃないでしょうか。わたし自身そういう人間なので、わかります。
でも、実際は「赤ちゃんをあやす」ということは、わたしたちが思っている以上に赤ちゃんを幸せにしているようです。
そのことを説明するために、『私たちは子どもに何ができるか』(ポール・タフ著/英治出版)という本をご紹介しましょう。
この本は、米国のジャーナリストであるポール・タフが、主に政策提案の視点から子育てや幼児教育において本当に重要なことをまとめている本です。
この本の詳細についての解説は次回に回しますが、このなかにこんな記述があります。
子供のごく幼い時期に親が果たす第二の決定的な役割は、子供たちが受ける圧力――よいものも悪いものも含めて――の外部調整装置となることだ。
研究によれば、とくに子供が動揺しているときに、親が厳しい反応を示したり予測のつかない行動を取ったりすると、のちのち子供は強い感情をうまく処理することや、緊張度の高い状況に効果的に対応することができなくなる。
反対に、子供が瞬間的なストレスに対応するのを助け、怯えたり癇癪を起したりしたあとにおちつきを取り戻すのを手伝うことのできる親は、その後の子供のストレス対処能力に大いにプラスの影響を与える。
…これは知力を要する学習ではないが、子供の心に深く刻まれ、次にストレスに満ちた状況になったとき、あるいは先々さまざまな危険に直面したときに、真価を発揮する。
(ポール・タフ『私たちは子どもに何ができるか』英治出版・P32-33/改行・強調・省略は筆者によるもの。…は省略の意)
うん、長文ですね!
要は、こどもが泣いている(もしくは怯えている、怒っている)ときに、それを親が「あやす」「なだめる」。
これは一見その場かぎりの対処のように見えて、こどものその後の人生に大きな影響を与える一種の「教育」なのだということです。
「じぶんが嫌な思いをしているときに、ママやパパが助けてくれた」
その体験を通じて、こどもはストレスとうまい付き合い方を学んでいくんですね。
そうした体験によってストレスとうまく付き合えるようになったこどもは、オトナになってからもストレスに強い人間になる…というわけです。
そうか! つまり、ぼくがメンタル弱いのは親のせいなんだ!(ダメな発想)
冗談はさておき、ひんぱんに泣く赤ちゃんに、親としての自信を失いかけたときにはこのことを思い出して、
「今、この子は嫌なこととの付き合い方を学んでいるんだな」と思ってみるのはいかがでしょう。
そうすれば辛抱強くこどもをあやすことにも、少し張り合いをもてるのではないでしょうか。
なぜなら、こどもをあやすことは、ただそれだけで「一生涯残るギフト」をこどもに与えているのと同じなのですから。